Nintendo Switch Online『すってはっくん』レビュー|かわいいのに手強い名作パズル
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どうも、氷見健一郎です。
Nintendo Switch Onlineのスーパーファミコン作品を眺めながら、「何か気軽に遊べる面白そうなソフトはないかな」と探していたとき、かわいらしいパッケージ風ビジュアルに惹かれて始めたのが『すってはっくん』でした。
小さくて透明な主人公、明るい色使い、そしてパズルゲーム。
見た目からは、のんびり遊べる素朴な謎解きゲームを想像します。実際、前半は自分のペースでブロックを動かし、「なるほど、そういうことか」と少しずつ仕組みを理解していく楽しさがあります。
ところが後半になると、印象は一変します。
ブロックを置く順番を考えるだけでなく、動く足場の周期を読み、ジャンプ中に素早く吸って吐き、わずかな位置の違いまで調整しなければならない。かわいい顔をした本格的なアクションパズルでした。
先に結論を書くと、『すってはっくん』は、ゆっくり考えるパズルの気持ちよさと、それを自分の操作で実現する面白さを両方味わえる作品です。
『すってはっくん』とは?
『すってはっくん』は、主人公の「はっくん」を操作し、各面に散らばった「虹のかけら」をすべて集めるアクションパズルゲームです。
任天堂の公式案内によると、製品版は1998年8月1日にスーパーファミコンのゲーム書き換えサービス「ニンテンドウパワー」で発売され、1999年6月25日にロムカセット版が発売されました。
開発会社インディーズゼロの公式沿革には、それ以前の1997年10月に、サテラビュー向けの「すってはっくん イベントバージョン」が放送された記録も残っています。
現在は「スーパーファミコン Nintendo Classics」の収録作品として、2025年1月24日からNintendo Switch/Nintendo Switch 2で配信されています。通常のNintendo Switch Online加入者特典なので、ソフトを個別購入する必要はありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | アクションパズル |
| プレイ人数 | 1人 |
| 製品版の初出 | 1998年8月1日・ニンテンドウパワー |
| ロムカセット版 | 1999年6月25日 |
| Nintendo Classics配信 | 2025年1月24日 |
| 現在のプレイ条件 | Nintendo Switch Onlineへの加入 |
ルールは「吸う・運ぶ・吐く」
基本ルールは、とてもシンプルです。
はっくんは、透明なブロックなどを口で吸い込み、そのまま別の場所まで運び、好きな位置に吐き出せます。移動させたブロックを足場や壁として利用し、通常のジャンプでは届かない場所にある「虹のかけら」まで道を作ります。
言葉にすると単純ですが、面白いのは、最初から正解の道が用意されているわけではないことです。
ブロックを一段高く積むのか、少し横にずらすのか、先に遠くのかけらを取るのか。限られた物をどの順番で動かすかによって、同じ面でもクリアまでの手順が変わります。
任天堂の公式説明にも、「どのように虹のかけらを集めていくかはプレイヤーの自由」とあります。一度クリアした面でも、より少ない動きで解いたり、短い時間でクリアしたりと、別の答えを探せる設計です。
三色のエキスで、ブロックが動き始める
序盤は透明ブロックを運ぶことが中心ですが、ゲームが進むと、赤・青・黄の「色」を使う仕掛けが加わります。
透明ブロックに色を注入すると、ブロックは一定方向に往復する動く足場へ変化します。
| 色 | ブロックに与える動き |
| 赤 | 上下方向に往復する |
| 青 | 左右方向に往復する |
| 黄 | 斜め上方向に往復する |
動いているブロックから色を吸い取れば、その場で透明ブロックに戻って停止します。
つまり、ブロックを単に「置く」だけではありません。どの場所で動かし始め、どの位置で色を抜いて止めるかによって、新しい足場を作れます。
<!-- 挿入画像2:sutte-hakkun-insert-02-colors.png/代替テキスト:赤は上下、青は左右、黄は斜めに透明ブロックを動かす仕組みの図 -->
赤で上へ運び、途中で色を抜いて高い位置に固定する。青で壁の向こうへ移し、別方向から回収する。黄の斜め移動に乗って離れた足場へ渡る。
同じ三色しか使っていないのに、位置、向き、注入するタイミングの組み合わせによって問題の種類が大きく広がっていきます。このあたりから、『すってはっくん』独自の面白さが本格的に見えてきます。
「まっくん」と「ろっくん」まで利用する

私が最初に犬のようなキャラクターだと思っていた透明のおじゃまキャラクターは、正式には「まっくん」といいます。
まっくんはブロックのように吸って運び、足場として利用できます。さらに色を注入すると特定の動きを始めるため、邪魔者でありながら、使い方次第でクリアを助けてくれる存在です。
岩のように見える「ろっくん」は、重い体を利用してガラスの床を割れます。
ブロックだけを動かしていたゲームに、性質の異なるキャラクターまで加わることで、「この面に置かれている物は、何のためにあるのか」と考える範囲が広がります。
何でも吸い込み、吸った物の性質を利用するところには、少し『星のカービィ』を思い出させる感触もあります。ただし、はっくん自身が能力を身につけるコピーではなく、吸い込んだ物を盤面のどこへ配置するかが中心です。
前半は穏やか、後半はアクションパズル
前半は、一度立ち止まって盤面を眺め、ブロックの置き場所を試しながら比較的ゆっくり進められます。
失敗したらやり直し、別の置き方を試す。考えた通りに道がつながった瞬間は、シンプルながら気持ちのよいものです。
ところが後半、とくにステージ9の雪原や最終ステージ10「どきどき火山島」に入ると、解法を理解するだけでは足りなくなってきます。
- 動くブロックが目的の位置へ来る瞬間を見極める
- ジャンプ中にブロックを吸い、着地前に別の場所へ吐く
- ブロックを半ブロック分だけ持ち上げて位置を調整する
- 色を抜くタイミングによって足場の停止位置を変える
- 複数の移動ブロックを、正しい周期に揃える
こうした細かな操作を、正しい順序で行う必要があります。
パズルの答えは分かっているのに、操作が追いつかず失敗することもあります。もはや純粋な思考パズルというより、考えた解法を正確に演奏するような感覚です。
ステージ9、10の終盤では、私も「どこから手をつければよいのか分からない」という状態になり、プレイ動画を参考にした面がありました。
ただ、他の人の解き方を見てみると、自分が考えていたものとは違う順番や、思いつかなかったブロックの置き方が登場します。答えを知って終わりではなく、「そんな方法もあったのか」と比較すること自体が面白いゲームです。
ヒントを見ると「汚名」が残る?
各面にはヒントも用意されています。
ただし、ヒントを利用すると、セーブデータ選択画面に「ヒント見ちゃったけど、」という表示が残ります。
救済機能を用意しておきながら、「見たことは忘れませんよ」と記録してくる。この少し意地悪なユーモアには笑ってしまいました。
もちろん、ヒントを見たからゲームの面白さが失われるわけではありません。後半には、ヒントで考え方を理解しても、実際の操作を成功させるまでに練習が必要な面があります。
自力で考え続ける、ヒントを一段階だけ見る、プレイ動画から考え方を借りる。どの距離感で遊ぶかも、プレイヤーが決めてよいと思います。
一つの面で詰まっても、別の問題へ移れる
通常面は10ステージ×10面の全100面です。
同じ島の中では挑戦する面を選べ、一定数をクリアすると次の島へ進めます。そのため、一つの面で完全に詰まっても、いったん別の問題へ移って気分を変えられます。
通常面以外にも、獲得ポイントに応じて開放される高難度のEXTRA面や、隠されたBATTLE面があります。通常100面を終えても、さらに挑戦したい人へ向けた要素が残されています。
また、各面には初期ポイントが設定されており、はっくんを動かすと減少します。残ったポイントが記録されるため、同じ面をより無駄のない手順で解き直す楽しみもあります。
「クリアできたら終わり」ではなく、自分の解法を洗練させられるのが、このゲームの奥深いところです。
Nintendo Classicsの巻き戻し機能と相性がよい

Nintendo Classics版では、「どこでもセーブ」と「巻き戻し」機能を利用できます。
後半には、一度タイミングを外すと最初からやり直したくなる場面もあります。そうしたとき、少し前まで巻き戻して再挑戦できるのは大きな助けになります。
オリジナル版の歯ごたえは残しながら、繰り返しの負担だけを軽くできるため、現代の環境で遊ぶ意味がしっかりあります。
ただし、巻き戻しを使いすぎると、何が原因で失敗したのか分からなくなることもあります。難しい操作の直前で「どこでもセーブ」を作り、数回は通常通り試したうえで利用すると、パズルを解く感覚を損ないにくいと思います。
『すってはっくん』は、こんな人におすすめ
特におすすめしたいのは、次のような方です。
- 一画面型のパズルを自分のペースで考えたい
- 少ない仕組みから多くの問題が生まれるゲームが好き
- 試行錯誤しながら解法を組み立てるのが好き
- かわいらしいレトロゲームを探している
- 思考だけでなく、適度なアクションも楽しみたい
- 他人の解法を見て「その手があったか」と驚くのが好き
反対に、タイミングを求められる操作が苦手で、純粋に考えるだけのパズルを期待すると、後半は少し厳しく感じるかもしれません。
しかしNintendo Classics版なら、巻き戻しやどこでもセーブを使えます。すべてを完璧に自力で解こうと身構えず、まずはかわいらしい世界と「吸って、運んで、吐く」手触りを試してみるのがおすすめです。
かわいいだけでは終わらない、隠れた名作

パッケージ風ビジュアルのかわいらしさから何となく始めた『すってはっくん』でしたが、想像していた以上に長く、深く楽しめる作品でした。
透明ブロックを移動させるだけの簡単なルールに、三色の動き、まっくん、ろっくん、細かな位置調整が加わり、最後には本格的なアクションパズルへ変化していきます。
それでも基本にあるのは、「このブロックを、どこへ置けば道ができるだろう」という分かりやすい問いです。
解き方は一つとは限りません。自分の方法でクリアしたあとに、家族や友人、ほかのプレイヤーのやり方を見るのも楽しいと思います。
Nintendo SwitchまたはNintendo Switch 2を持っていて、Nintendo Switch Onlineに加入している方は、ぜひ一度『すってはっくん』を起動してみてください。
見た目のかわいらしさに油断していると、いつの間にか透明ブロックを見つめながら、本気で悩んでいるはずです。
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