24/08/13 妖艶なる世界へようこそ。洗足学園プレミアムコンサート〜シェーンベルク生誕150周年記念演奏会〜月に憑かれたピエロを体験して。

氷見 健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。7/27に洗足学園音楽大学にて行われた、洗足学園プレミアムコンサート〜シェーンベルク生誕150周年記念演奏会〜月に憑かれたピエロの様子をまとめたいと思います。

今回ご紹介する演奏会はこちらです↓

洗足学園プレミアムコンサート〜シェーンベルク生誕150周年記念演奏会〜月に憑かれたピエロ

日時 2024年7月27日(土)15時開演

会場 洗足学園音楽大学シルバーマウンテン2階

出演者

湯川紘惠(指揮)

對馬 佳祐(ヴァイオリン、ヴィオラ)
朝吹 元(チェロ)
泉 真由(フルート、ピッコロ)
木主 里絵(クラリネット、バスクラリネット)
川村 恵里佳(ピアノ)
中江 早希(シュプレヒシュティンメ)

西方 淳一(映像)


洗足学園音楽大学

洗足学園音楽大学は、南武線のJR武蔵溝ノ口駅、東急田園都市線、大井町線の溝の口駅より徒歩11分のところにあります。駅の出口よりまっすぐ歩くだけなので、とてもアクセスしやすい大学です。

ドラマ のだめカンタービレのロケ地となったほか、平原 綾香さんやSEKAI NO OWARIのSaoriさんが卒業した学校ということでも知られています。

アニメ 響け!ユーフォニアム3の作中のホールの一つが、学内の音楽ホール”前田ホール”をモデルとして描かれました。この作品で演奏される吹奏楽の演奏も、洗足学園音楽大学の学生さんが担当されているようです。

シルバーマウンテンに到着

今回の会場は、洗足学園音楽大学の中にある施設シルバーマウンテンにて行われました。

この写真が洗足学園音楽大学大学の入口を写したものなのですが、左手側の銀色の丸い建物がシルバーマウンテンです。音楽ホールというわけではなく、多目的に使えるスペースを地下、1,2階それぞれワンフロアで使うことのできる施設です。

会場には座席が設営され、数でいうと100席ほどあったと思います。

入口には100周年を記念するラッピングが施してありました。川崎市の市制施行とちょうど同じ期間なんですね。

月に憑かれたピエロ

この作品については、先日ラ・フォル・ジュルネで演奏されたときに記事を執筆しましたので、こちらの記事を参考にしていただけますと幸いです。

24/05/06 ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024 最終日に、《声楽アンサンブル》、《東京ユヴェントス・フィルハーモニー》、《月に憑かれたピエロ》の公演を鑑賞しました。

氷見 健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。 前回の”ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024”の記事に引き続き、今回もこちらのクラシック音楽祭の記事を書きたい…

この時の演奏形式と今回の演奏形式で異なるところは、指揮者と映像が加わったことです。

シェーンベルクは7という数字にとてもこだわりがあり、作曲時、奏者の人数にも意識し指揮者を含めて7人としました。月に憑かれたピエロという作品において、指揮者の存在は重要だと考えられます。指揮者の湯川さんの的確な振り分けで、アンサンブルが一枚岩となり、楽器のバランスや音のニュアンスの統一、ピエロのドラマを色濃く描いていたように感じられました。

そして、今回の西方さんの映像では月が最初から最後まで投影されていました。この映像は静止画ではなく、時間の経過とともにゆっくりと動いていきます。大きさも変わり、最初は小さなシミのような小さくぼんやりとしていたものが、中間部には強いコントラストを伴う大きな月に移り変わったのがとても印象的でした。

演奏を聴いて

会場に入ると前方の壁に月の前に立つピエロがお出迎えしてくれていました。ただこちらを見つめるだけでなく、なにかを話しています。映像には音声はなく、受け手が想像するしかありません。

こちらのピエロはチラシにも登場していましたね。大きく投影され、動いている姿を微笑ましく見ておりました。

開演前には中江 早希によるトークから始まります。月に憑かれたピエロのことはもちろん、空調やお手洗いのことに至るまで気配りの限りをつくした配慮に思わず笑顔になります。

今回の演奏会のお客様は挙手アンケートを見る限り、月に憑かれたピエロを聴いたことがないという方が8割ほどで、馴染のない演目にもかかわらず、足を運んでくださったことがとても嬉しかったです。

演奏が始まると会場の照明は落とされ、暗闇の中に薄く青がかった背景に小さな月が浮かび上がります。

会場の正確な残響音はわかりませんが、学内の前田ホールより少し残響を抑えた仕様になっているとのことでした(前田ホールは残響時間2.0秒)。体感的にはそこまでの残響時間を感じることはなかったのですが、ラ・フォル・ジュルネのときよりも音の響きを感じることができました。

川村さんのピアノがアンサンブルの核を担い、安定感のあるアンサンブルがピエロのドラマを紡ぎます。指揮者がいることによって全体の呼吸感が見事に揃い、アンサンブルがとにかく魅力的でした。

そして月は赤くなり

その姿は小さくなり、やがて朝を迎えます。

映像の関係で舞台面が暗く、客席の方が明るいという珍しいセッティング。奏者の位置が暗いのですが、演奏がとても魅力的で、暗闇で奏でられる楽器の妖艶な音色に演奏する姿から目が離せなくなっていました。泉さん、木主さんの管楽器の音色は目を見張るものがあり、今回の演奏がより印象的になりました。

何度か月に憑かれたピエロは聴いたことがあるのですが、今回この部分ってこんなにも感動的だっけとスコアを見返した箇所がありまして、それが最後のO alter Duftなんですけど、對馬さんと朝吹さんの弦楽器の音の重なりが、繰り返しになりますが、感動的だったんですよね。

すごいと思って見上げると、水面に月が映し出される映像に変わっていて、40分の演奏時間このピエロの世界にいたんだと思わせてくれました。

演奏がメイン、あるいは映像がメインとならず、演奏があくまで主軸にあるのは間違いないのですが、音で創り上げた世界に、そっと色付けをするという塩梅の映像がとてもよいバランスになっていたと感じました。

最後に

今回は、洗足学園プレミアムコンサート〜シェーンベルク生誕150周年記念演奏会〜月に憑かれたピエロを体感しての感想をまとめました。

こちらの様子(演奏シーンはありません)は8月20日朝10時に僕のYouTubeチャンネルにて公開できたらといま編集を頑張っております。

最近YouTubeチャンネルの運用に本腰を入れ始め、なかなかブログを更新できておりませんが、この記事でブログ記事が100記事に到達しました。
両方ある程度の更新頻度を維持して皆様にお届けできるように、やり方を工夫してみたいと考えております。

もしよろしければYouTubeチャンネルのチャンネル登録をしていただけますと幸いです。これからも何卒よろしくお願い申し上げます。
https://www.youtube.com/@himiken

動画が完成しました!

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