23/11/28 眠りの森の美女を堪能、NHK交響楽団 第1997回定期公演Aプログラムを聴きに行ってきました。
氷見健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。
先日NHK交響楽団の第1997回定期公演に伺いました。その様子をまとめたいと思います。
今回ご紹介する演奏会はこちらです↓
NHK交響楽団第1997回定期公演Aプログラム
日時
11月25日(土) 開演 6:00pm
11月26日(日) 開演 2:00pm
会場 NHKホール
指揮:平石 章人(前半、〇の曲目)、湯川 紘惠(後半、●の曲目)
スヴィリドフ/小三部作〇
プロコフィエフ/歌劇「戦争と平和」-「ワルツ」(第2場)〇
A. ルビンシテイン/歌劇「悪魔」のバレエ音楽-「少女たちの踊り」〇
グリンカ/歌劇「イワン・スサーニン」-「クラコーヴィアク」〇
リムスキー・コルサコフ/歌劇「雪娘」組曲〇
チャイコフスキー(フェドセーエフ編)/バレエ組曲「眠りの森の美女」●
はじめに、、、
今回の演奏会は当初ウラディーミル・フェドセーエフさんが指揮を振る予定だったのですが、体調不良のため医師のアドバイスにより来日を見合わせとなりました。その代わり、平石 章人さん(前半)と湯川 紘惠さん(後半)の2人が指揮を務めることになりました。
湯川さんとは演奏会では2021年にリッカルド・ムーティのオペラアカデミー《マクベス》にて一度だけ共演したことがあります。
湯川さんは富山県高岡市にゆかりのある方ということもあり、以前より仲良くさせていただいております。今回は前の用事が長引いてしまった関係で、後半プログラムのみ拝聴しました。
眠りの森の美女
眠りの森の美女(1890)はチャイコフスキーのバレエ音楽で、白鳥の湖(1877)、くるみ割り人形(1892)と合わせて有名な作品です。この作品は、サンクトペテルブルクの帝国劇場のディレクター、イワン・フセヴォロシスキーの依頼で1888年から制作されました。イワンさんは、フランスの作家シャルル・ペローの有名な17世紀のおとぎ話の本から、真実の愛のファーストキスによって魔法の呪文から目覚めた王女についてのシナリオを台本に選択しました。
チャイコフスキーは劇場側の要望に応えるべく、熱心に作曲に取り組んだそうですが、1890年1月15日にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で行われた初演は、大衆と報道陣から無関心な反応を受けました。皇帝アレクサンドル3世も臨席したそうですが、短い称賛の言葉(ウィキによると「とても可愛らしい」だったようです)をかけてくださったものの、これはチャイコフスキーの望んでいた結果ではありませんでした。初演はあまりうまくいかなかったものの、改訂版を出し、上演を重ねるごとにチケットが完売するほど高く評価されていきました。
演奏を聴いて
オーケストラの演奏会では、一般的には5曲からなる組曲が演奏されることが多いそうなのですが、今回のプログラムでは振る予定だったフェドセーエフさん自身が編んだ曲目が演奏されました。
演奏された曲目はこちらです(全12曲)↓
〈行進曲〉(プロローグ第1曲)
〈踊りの場〉(プロローグ第2曲)
〈パ・ド・シス〉(プロローグ第3曲)
〈ワルツ〉(第1幕第6曲)
〈パ・ダクシオン〉(第2幕第15曲a〈オーロラ姫とデザイア王子の情景〉)
〈オーロラ姫のヴァリアシオン〉(第2幕第15曲b)
〈パノラマ〉(第2幕第17曲)
〈アダージョ〉(第3幕第25曲〈パ・ド・カトル〉)
〈テンポ・ディ・マズルカ〉(第3幕第30曲〈終曲〉)
〈サラバンド〉(第3幕第29曲)
〈銀の妖精〉(第3幕第23曲〈ヴァリアシオンII〉)
〈オーロラ姫とデザイア王子のアダージョ〉(第1幕第8曲a〈パ・ダクシオン:アダージョ〉)
急遽湯川さんが振るということで応援の気持ちで伺ったのですが、演奏が始まると次第に湯川さんの世界観に引き込まれ、応援を忘れ演奏を楽しんでいました。各セクションの魅力を引き立て、とても洗練された眠れる森の美女の演奏でした。マクベスのときも思いましたが、とても魅力的な指揮で、大役本当に素晴らしかったです。
なお今回の演奏はNHK FM ベストオブクラシックにて11月30日午後七時半より放送されます(公式サイトはこちら)。
NHKホールには面白いフォトスポットがありました。NHK交響楽団さんの演奏会にお出かけの際は是非お写真も楽しんでみてください。
演奏会のご案内
今回指揮を務められた湯川 紘惠さんと中江 早希の出演するベートーヴェンの第九公演が開催されます。日程は12月24日、会場は市川市文化会館大ホールで14時開演です。合わせてチェックして頂けますと幸いです。