23/08/21 東京交響楽団 第713回 定期演奏会 メンデルスゾーン讃歌を聴いてきました。

皆様、氷見 健一郎 公式サイトをご覧下さりありがとうございます。

東京交響楽団 第713回 定期演奏会 メンデルスゾーン讃歌を聴きに行きまして、その感想をまとめたいと思います。

東京交響楽団 第713回 定期演奏会

日時 2023年08月19日(土)18:00 開演

会場 サントリーホール

出演
指揮:鈴木優人
ソプラノ:中江 早希 
ソプラノ:澤江 衣里
テノール:櫻田 亮
合唱:東響コーラス

曲目

メンデルスゾーン:交響曲 第5番 ニ短調 op.107 「宗教改革」
メンデルスゾーン:交響曲 第2番 変ロ長調 op.52 「讃歌」

メンデルスゾーンといえば、オラトリオのエリア、パウルスを最初に思い浮かべるのですが、今回の交響曲第二番、讃歌は初めて聴きました。

この日サントリーホールに向かいますと、すでにたくさんのお客様が来場されていました。とても注目度の高い演奏会であったことがうかがえます。いろんな方のお話を聞いていますと、2020年に東京交響楽団さんと鈴木 優人さんでメンデルスゾーン版マタイ受難曲を演奏する予定だったものの、コロナ禍の影響により、中止となってしまったことを知りました。このペアの演奏会を心待ちにされていた方も多かったに違いありません。

今回オンライン取り扱いのチケットは完売となり、大入り袋がでたとSNSの投稿もなされていました。

今回個人的に馴染みのない曲だったので、プログラムノートを熟読してから鑑賞してみました。トータル3ページという限られたスペースの中での解説でしたが、実際に曲を聴くのが楽しみになる、とても良い内容でした。歌詞対訳の他、メンデルスゾーンのややこしい交響曲の番号付けというコラムも掲載されており、とても興味深かったです。こういう資料は貴重で、いつも大切に保管しています。

実際に聴いてみて、、

 ベートーヴェンのミサ・ソレムニスのサンクトゥスのような、期待感高まる序奏から始まり、上行系の旋律がたまらなく美しかったです(これが解説書に書いてあったドレスデンアーメンの引用旋律だったということを帰ってからネタ元を聴いて知りましたw)。3楽章はとても短いということだけ調べていたのですが、オペラアリアのような曲で、ヴァイオリンの奏でるメロディーがとても心地よかったです。オーケストラ曲ももっと聴かないとなと思いました。ワーグナーのパルジファルにも同じ引用元のモチーフがあるとのことで、他の曲も関連付けて聴いていくのも面白いなと音楽の楽しみ方がまたひとつ増えました。

休憩に入り、少し外に出ていたのですが、戻ってくると東響コーラスの皆さんがスタンバイされていました。座る位置、姿勢がとてもきれいで、オケの方が入場される前でしたが、演奏への期待が高まりました。メンバーの中には過去の公演でご一緒した方も出演されていました。東響コーラスさんはいつも暗譜で歌唱されるということで驚きです。

讃歌を初めて聴いてみて、楽曲展開がオペラぽいなと思いました。今回のソリスト陣は、BCJ公演のリナルドや、第一戒律の責務などでも見ていましたが、オーケストラと一体となってドラマを進行させていくのがとにかく素晴らしい。東京交響楽団さんの歌声を引き立てる音量感が絶妙で、歌唱表現の細かなニュアンスまで鮮明に感じ取れた気がします。

オーケストラ、ソロ、合唱とパートの受け渡しがとても絶妙で、ドラマのコントラストが明確になっており、鈴木優人マエストロの手腕の素晴らしさを堪能しました。特にその展開が印象的だったのがソプラノ1,2の二重唱からの合唱への引き継ぎ、テノールソロからのソプラノソロが「夜は去った」と歌う部分でした。

最後に、、、

初めて讃歌に触れましたが、もっと早く知っておきたかったと思えるほどの名曲でした。きっかけをくれたこの演奏会に感謝です。もう一度聴きたいと思える素晴らしい演奏会で、新潟公演にも続けて行きたかったのですが、今回は叶いませんでした。終演後の写真が投稿されてまして、こちらも同様に素晴らしい演奏会になったことが伝わってきます。

メンデルスゾーン版マタイ受難曲も是非東京交響楽団さんの演奏で聴いてみたいです。素敵な演奏ありがとうございました!