23/08/28 松本市美術館 ”草間 彌生 魂のおきどころ”を鑑賞してきました。

氷見 健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。

只今、OMFセイジ・オザワ松本フェスティバルに参加しております。今回なかなか観光するといった時間を取れなかったのですが、少し長めの休憩時間を利用して松本市美術館に行ってきました。こちらの美術館には前回参加したOMFオペラ”エフゲニー・オネーギン”の際にも訪れまして、展示の他に、美術館コンサートも楽しんだことがあります。

松本市美術館は、松本市民芸術館からとてもアクセスが良く、徒歩であっという間に到着しました。日差しは強いですが、気温は東京ほど高くないため比較的過ごしやすかったです。道中美術館に向かって歩いていらっしゃる方も多く、期待が高まります。美術館の方に目をやると、こちらのオブジェが迎え入れてくれました。

記念写真を撮る方も多く、かなりの大きさに圧倒されます。草間 彌生さんの《幻の華》という2002年の作品だそうです。実は今回三回目の訪問なのですが、作品名は今初めて知りました。このオブジェは草間さんの作品の中でも最大級に大きいのだとか。草間さんは松本生まれということもあり、こちらの美術館に通年で作品が展示されているそうです。

受付に出向くといま企画展でやっている”映画監督 山崎貴の世界”も勧められましたが、今回は時間の関係で泣く泣く断念。常設展示されている”草間彌生 魂のおきどころ”を鑑賞できるチケットをゲットしました。

美術館のスタッフさんは美術慣れしていない僕にも優しく接してくださり、気持ちよく作品を鑑賞することができました。以前来たときから数年経ってしまいましたが、おなじみのものだけでなく、新たに制作された作品が増えており、魅力あふれる草間作品にふれることができました。

美術館に行く前に、20秒しか見られない作品があるから絶対楽しんでおいでと勧められ、そんな作品あったかなぁと思っていたのですが、実際に行ってみてその作品の魅力にすっかり取り憑かれてしまいました。その作品は魂の灯(2008年)という作品で、展示室の中に作られた小さな部屋に入って鑑賞する作品です。一度入ったらその立ち位置から動かないように、頭上注意、僕はリュックを持っていたので前にかけるように指示され、一体何が行われるのだろうかとドキドキしながら中に入れてもらいます。

ドアを開けてもらうと、中には立ち位置を除いて鏡になっており、一面に電球が吊るされています。所定の位置に立つと、20秒経過したら開けさせていただきますねと説明を受け、ドアを閉めてもらいます。するとドアの裏側も鏡になっており、自分の周り全体が合わせ鏡のようになります。

ドアが閉まると、吊るされた電球は一定間隔で点滅し、色が変わります。ずっと眺めていたいと思うほど幻想的な空間が広がり、草間彌生の作品の特徴であるドット柄の魅力とその美しさに一瞬で心が奪われました。部屋にはいる前は、20秒しか見られないとは急がされている気がして嫌だなと思っていたのですが、それ以上見ると自分の心が奪い取られるような感覚に陥っていたなと、20秒でドアを開けてもらうのがちょうどよいなと思えるほど不思議な魅力のある作品でした。

なにかうまい言い方がないかと考えてみたのですが、船人達を歌でまどわせ遭難させるセイレーンの歌を聴きたいがために、船の帆柱に身動きが取れないように体をくくりつけて歌を聴いた男の伝説を思い出しました。20秒とても良い時間でした。

本当はこの作品の写真を撮影して紹介できれば良かったのですが、展示室内撮影禁止だったので、叶いませんでした。写真を紹介しているサイトを探してみたのですが見つからず、気になった方は実際に美術館に出向いていただけますと幸いです。電球のイメージとしてはこちらのサイトに紹介されている《無限の鏡の間 - わが永遠の魂は光放って燃えてゆく》2019年が参考になるかと思います。おそらくこちらの方が規模の大きい作品になるのかなと想像しております。気になります!

 

展示室を出て

下の階に降りると先程タイトルを出した”映画監督 山崎貴の世界”にちなんだオブジェクトが展示されていました。

山崎さんは調べてみると長野県松本市のご出身だそうです。こちらのオブジェは、ALWAYS 三丁目の夕日とゴジラ-1.0にちなんだものなんですね。この世代ではないのですが、懐かしさただようオート三輪のフォルム、可愛らしさにしばらく見入ってしまいました。ゴジラのなかなかの迫力で、訪れた方みなさんまじまじと眺めていらっしゃいました。映画はしっかりと観たことはないのですが、企画展も行けたら良かったなぁと思いながら退館しました。

最後に、、、、

ここ数日バタバタと動いていてなかなか休まらなかったのですが、美術館でゆったりとした時間を過ごすことで気分スッキリさせることができました。作品を一つずつぼんやりと眺めている時間が結構好きで、静かな空間で休憩を取りながらゆったりと楽しめる美術館は自分にとってとても良い癒やしスポットです。かぼちゃだけではない草間彌生さんの作品の魅力、美術館で楽しんでみてはいかがでしょうか?

 

松本市美術館

住所
〒390-0811 長野県松本市中央4丁目2−22

開館時間
9:00~17:00(入場は16:30まで)

休館日
月曜日(祝日の場合は次の最初の平日、8月は無休) 年末年始(12月29日~1月3日)
(8月は休館日を設けず毎日開館しております)

ホームページ
http://matsumoto-artmuse.jp/