23/12/18 神戸よ、讃えよ!神戸市室内管弦楽団さんとの天地創造公演が終演しました。

氷見 健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。

2023年12月16日、ずっと楽しみにしておりました《天地創造》公演が無事終演しました。今回はこちらの本番までの様子をまとめたいと思います。

今回ご紹介する公演はこちらです↓

神戸市室内管弦楽団・神戸市混声合唱団
合同定期演奏会「ハイドン:オラトリオ《天地創造》」

日時 2023年12月16日(土)14:00開演

会場 神戸文化ホール大ホール

[指揮]鈴木秀美
[独唱]隠岐彩夏(ソプラノ)、櫻田亮(テノール)、氷見健一郎(バス)

主催:神戸文化ホール(指定管理者:(公財)神戸市民文化振興財団)
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(創造団体支援))
   独立行政法人日本芸術文化振興会
   公益財団法人 花王 芸術・科学財団
   公益財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団

ハイドンの天地創造

このオラトリオ《天地創造》は1797年にハイドンによって書かれました。創世記をもとに、世界の創生と祝いを描かれたこの作品はハイドンの《四季》と並ぶ有名なオラトリオです。この曲は3部に分けられ、ソリストは1,2部では、ソプラノがガブリエル、テノールがウリエル、バスがラファエルという天使の役を歌います。3部ではソプラノとバスの役が変わり、ソプラノがイヴ、バスがアダムとなります。

ハイドンがこの曲を作曲しようと思ったきっかけとして、ヘンデルのオラトリオ《メサイア》を聴き感銘を受けたことがあげられます。神戸で天地創造を演奏する前にはメサイアを演奏することがマストであるという鈴木秀美マエストロの発案により、2021年に神戸文化ホールの中ホールにて《メサイア》公演を行いました。

 

2021/12/12 神戸市室内管弦楽団 鈴木秀美 指揮 G.F.ヘンデル:オラトリオ≪メサイア≫HWV56(字幕付)/バスソリスト

日時 2021年12月12日(日)14:00開演(13:30開場) 会場 神戸文化ホール 中ホール 演目 鈴木秀美 指揮G.F.ヘンデル:オラトリオ≪メサイア≫HWV56(字幕付)G.F. Händel …

今回の神戸滞在

神戸市室内管弦楽団さんとは今回で3回目の共演となります。先程ご紹介した《メサイア》公演、オーケストラの定期公演にオペラを入れるというアイデアで《コジ・ファン・トゥッテ》(ハイライト)、そして今回の天地創造となります。

3回目にして初めて動画メッセージをお願いしますということで、トップバッターを務めました。いろんな公演に参加しておりますが、動画メッセージを会場で撮影する機会がこのとき初めてでしたので、とても嬉しかったです。嬉しさだけが勝ってしまい、曲の内容までに触れられなかったのは今後の課題ということにしておきます(苦笑)

そしてリハーサルが続き、本番も無事終演となりました。

僕と天地創造

初めて鈴木秀美マエストロと共演した演目が《天地創造》でした。新国立劇場オペラ研修所を修了して初めての宗教音楽の演奏会とあり、とても緊張して挑んだのを覚えております。その演奏会には青色のチーフをしていったのですが、「3部でアダムに役が変わるのだから何か変化を付けないとだめでしょ?」とマエストロが話しかけてくださり、ご自身の赤いチーフに取り、僕のチーフを付け替えてくださったというエピソードがあります。この体験が個人的にとても嬉しく、それ以降の演奏会のチーフは赤色に変わりました。ちなみにその時のソプラノソロは中江 早希で、ちゃんと3部の前にドレスを用意して着替えていたのは流石だなと関心したのもいまでも覚えております。今回の神戸での演奏会もそのエピソードを再現するように1,2部と3部でチーフの色を変えて出演しました。当日気がついた方がいらっしゃったら凄いです。

写真の説明はありません。

写真の説明はありません。(2018年山形交響楽団《天地創造》公演1部、3部の様子)

 

序曲が始まると思ったら、、、

BCJ バッハ・コレギウム・ジャパンでの天地創造の公演のリハーサル時、今日は頭から通していきますという最終リハーサルで最初の音が鳴ったかと思ったらバースデーソングが!たまたまその日僕の誕生日でメンバー全員でお祝いしてくださり、お花もいただきました。とても素敵なお花で家に飾っている間ずっと幸せな気持ちでした。

光あれ!!

鈴木秀美マエストロとの公演では、何か一箇所斬新な遊び心があるように感じています。今回は冒頭の合唱の「光あれ」と歌い上げる部分で一段落とした照明から一気に舞台が明るくなるという演出が追加されました。この演出結構好きです。今回の公演では日本語字幕も表示され、物語の理解を助ける工夫が散りばめられていました。各部の演奏が終わるたびに大きな拍手が鳴り止まず、舞台にはけるもまた登場するを繰り返すことになったのもとても嬉しい体験でした。

バス歌手にとって《天地創造》という作品はとても大切なレパートリーです。今回神戸市室内管弦楽団さんと《天地創造》公演で共演できましたこと大変うれしく思っております。惚れ惚れする演奏で、リハーサルからこの曲に向き合った時間は至福なひとときでした。また皆様と共演できますこと心より願っております。

今回の演奏会が終演し、新神戸駅に向かおうとホールを出たところ、今回の演奏会のお客様が話しかけてくださり、お褒めのお言葉と今回の演奏会に出かけてきて本当に良かったわと仰ってくださいました。歌手としてこんなにうれしいことはありません。知り合いもそんなに多くない神戸の地で嬉しい経験をしました。少し早いですが今年最大のクリスマスプレゼントだったのかもしれません。

最後に

ロッシーニの《スターバト・マーテル》公演より、曲に集中しすぎた結果10日間以上もブログの更新が滞っておりました。なかなか演奏との両立は難しいですが、間隔は開いても継続していきたいと思っております。これからも演奏、ブログ合わせて応援して頂けますと幸いです。


(終演後カウンターテノールのジャスティン・シュッツさんに写真を撮っていただきました。以前府中アカデミー合唱団さんの定演奏会で歌を聴いたことがあります。素晴らしい歌唱でいつかご一緒したいです。写真ありがとうございました!)