24/06/08 イタリアオペラの伝道師、園田 隆一郎マエストロが送る、渾身のレクイエム!パシフィックフィルハーモニア東京さんの第166回定期演奏会を聴きに行ってきました。

氷見 健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。

本日、東京芸術劇場にて行われました、パシフィックフィルハーモニア東京さんの第166回定期演奏会へ行ってきました。その様子をこの記事ではまとめたいと思います。

今回ご紹介する演奏会はこちら↓

第166回定期演奏会

日時 2024年6月8日(土)14:00開演

会場 東京芸術劇場 コンサートホール

演目 ヴェルディ/レクイエム

出演

指揮:園田 隆一郎

ソプラノ:中村 恵理

メゾ・ソプラノ:山下 裕賀

テノール:工藤 和真

バス:伊藤 貴之

合唱:パシフィックフィルハーモニア東京クワイア(コア・マイスター 岸本 大)

東京芸術劇場へ到着

東京芸術劇場は、池袋駅西口より徒歩2分の好立地にあります。入口の手前には池袋西口公園野外劇場 グローバルリング シアターがあり、とても多くの人でいつも賑わっています。本日もダンスグループのイベントが開催されており、活気に溢れていました。

こちらのホールは地下直結通路もあり、雨天時でも駅から雨に濡れずに会場へ向かうことのできる、ありがたい劇場です。

コンサートホール | 東京芸術劇場

東京芸術劇場の5階にあります、コンサートホールは、客席数約2000席のとても大きな会場です。残響時間は満席時2.1~2.3秒(改修前の計測データなので参考値となります)ということで、オーケストラ楽しむにはこの上ない理想的な残響時間です。

座席は座面も広く、肘掛けも広く作られているため、とてもリラックスして今回の演奏会も鑑賞することができました。メーカーはコトブキシーティング株式会社さんだと思われます。

ヴェルディとレクイエム

ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi、1813年10月10日 - 1901年1月27日)はイタリアの作曲家です。

彼の作品は特にオペラ作品が有名だと思います。代表作には、《リゴレット》、《イル・トロヴァトーレ》、《椿姫》、《アイーダ》などがあります。

ジュゼッペ・ヴェルディの《レクイエム》は、1874年5月22日にミラノのサン・マルコ教会で初演された、宗教音楽作品です。ヴェルディはこの作品を、彼が尊敬していたイタリアの詩人、アレッサンドロ・マンゾーニの死を悼んで作曲しました。

なお、ヴェルディのレクイエムの中の”リベラ・メ(私を憐れんでください)”は、1868年に死去した作曲家、ロッシーニのためのレクイエムを共同制作しようと呼びかけていた折に作曲していたものを取り込んでいます(イタリア人作曲家12人に呼びかけたものの、実現はしなかった)。

そして”ラクリモーザ(涙の日)”はオペラ《ドン・カルロ》のパリ初演(1867年)時に演奏時間の都合でカットされた部分が用いられているそうです。

 

パシフィックフィルハーモニア東京

パシフィックフィルハーモニア東京 | PACIFIC PHILHARMONIA TOKYO

1990年 、内藤 彰さんを音楽監督・常任指揮者として「東京で9番目のプロオーケストラ」(当時)として東京ニューシティ管弦楽団という名称で発足。

2022年度より楽団名称がパシフィックフィルハーモニア東京へ変更。新名称の由来は[Pacific/太平洋・穏やか]×[Philharmonia/音楽を愛する]×[Tokyo/東京]のキーワードから成り立っています。

太平洋、世界に向け、音楽を通じて国をつなぎ、平和と融合を音楽でもたらす(Pacifyする)使者でありたいとの願いが込められています。

ロゴマークの2つのライン、黒は弦、管、打楽器のスティックをイメージ。金色は指揮棒(タクト)を表しているそうです。楽団員と音楽監督が一体となり、新しい航海に進む決意を示しています。

音楽監督は飯森 範親さんです。

 

公演を聴いて

ヴェルディのレクイエムは”怒りの日”がもっとも知られていることから、バスドラムをホール全体に激しく鳴り響かせるイメージがどうしても先行してしまいますが、今日の演奏会ではヴェルディがこの曲に込めた人の温かさのようなものを感じる演奏でした。

とりわけ管楽器のハーモニーと音色が巧みに調和され、その音色は決して力任せではなく、充分な音量を響かせつつ、アンサンブルの核として美しく全体の音楽を支えていました。

ラッパのシーンではバンダを客席最上階のサイドに配置し、かなり大きな会場で距離があるにもかかわらず、絶妙にコントロールする園田マエストロの手腕が光りました。音響効果としてもとても良く、会場内をこだまするトランペットの音色が一層この楽曲の世界観に没入させてくれました。

言葉の処理も徹底され、ブレスの場所や、言葉のニュアンスも時間をかけてリハーサルがなされていたんだろうなと思われるほどの、こだわり抜かれた一体感を感じました。オーケストラの表現と歌が同調する演奏を聴くと嬉しくなります。

管楽器の響きにのせてオケとユニゾンで紡がれるメゾ・ソプラノソロは絶品でしたし、サンクトゥスのソプラノパートのレガートが個人的に印象に残りました。

合唱のアンサンブルではテノールの音色がきれいにハマり、内声の美しさを感受しました。合唱団はプロの歌手が約60人で結成されていましたが、頂いたパンフレットの中ではお名前が確認できませんでした。もし可能であれば、追加資料としてご紹介いただきたいです。

 

最後に

音楽を聴きながら、この曲に何回も取り組んだことがあるものの、客席に座ってじっくりと鑑賞したことはなかったなとふと気が付きました。客観的に聴くということも大切で、この箇所ではオーケストラがこういう動きをしているんだとか、和声がこういうふうに生かされているんだ、などなど、多くのことが勉強になりました。

大迫力の部分も良いのですが、ソリストの無伴奏、アカペラの部分の美しさもまた良いんですよね♪今日の演奏を聴いて、更にこの曲のことが好きになりました。

今年はヴェルディのレクイエム初演から150年という記念年ということで、いろいろなところでこの曲を取り上げる演奏会が開催されます。この機会にぜひコンサートホールでの生演奏を聴いてみてはいかがでしょうか?

 

おすすめ演奏会

東京シティーフィルハーモニック管弦楽団 第377回定期演奏会

日時 2025/3/8 (土) 14:00開演 [13:15開場]
◎13:40より指揮者 高関 健さんによるプレ・トークあり

会場 東京オペラシティ コンサートホール

演目 ヴェルディ作曲《レクイエム》

指揮:高関 健(常任指揮者)


ソプラノ:中江 早希
メゾ・ソプラノ:加納 悦子
テノール:笛田 博昭
バリトン:青山 貴


合唱:東京シティ・フィル・コーア

主催:一般社団法人東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))|独立行政法人日本芸術文化振興会
   公益財団法人アフィニス文化財団
   公益財団法人朝日新聞文化財団

チケット

先行発売日
 
2024年8月28日(水)
(賛助・維持、定期会員)
一般発売日
 
2024年9月11日(水)

東京シティ・フィル チケットサービス 03-5624-4002
(月・水・金11:00〜16:00 ※祝日を除く)

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