24/04/28 歌、楽器練習、音源審査におすすめ!入力音量調節不要なハンディレコーダー、zoom H6 essentialを紹介します。
氷見健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。
本日は音楽練習や音源審査の強い味方になってくれるzoomさんのハンディレコーダー、《H6 essential》を実際に使ってみました。
今回はこちらの機材を紹介します。
zoom H6 essential
最も堅牢で多才。あらゆる状況に対応するハンディレコーダーのフラッグシップモデル『H6essential』。最大6トラックの32bitフロート・レコーディングで、かつてないクオリティと比類ない汎用性を提供します。
デュアルADコンバータと32bitフロート録音の組み合わせにより、広大なダイナミックレンジを捉えます。
4系統のXLR/TRSフォーン入力には、EIN -120dBu以下の超低ノイズ設計の高品位プリアンプを搭載。
入力【XYマイク:XYH-6e】 90°XYステレオ方式 | 指向性: 単一指向性 | 感度:–42 dB/1 Pa 1 kHz | MAX入力音圧:135 dB SPL
レコーダー【録音フォーマット】 WAV | 44.1/48/96 kHz、32-bit float | ステレオ/モノラル | BWFおよびiXMLフォーマット対応
表示 2.0インチ フルカラー LCD:320 x 240ドット
外形寸法
本体:78.1 mm (W) × 160.1 mm (D) × 42.8 mm (H)
XYH-6e:69.1 mm (W) × 50.8 mm (D) × 43.0 mm (H)
質量 本体:381 g(電池含む) XYH-6e:42 g
導入のきっかけ
これまで、持ち運び用として同じくzoomさんのハンディレコーダー、H6を使用していました。
コンパクトなボディながら、ハンディレコーダーのマイクカプセルを色々と付け替えることができ、いろんな録音パターンが試せるのが最大の魅力でした。
その他、4本のマイクを外付けでき、電力を必要とするコンデンサーマイクも使えることから、音質にこだわった音源審査の提出時にとても活躍してくれました。
オーディオインターフェースとしてもPCに接続することもでき、パソコン上で録音データを扱う上でも、かなり使い勝手が良かったですね。
しかしながら、僕の不注意で、電池を液漏れさせてしまい、裏面が見るも無惨な姿に、、、、。モバイルバッテリーで使うこともできたのですが、録音している時に壊れてしまうのが一番危ないので買い替えることにしました。
そう思っていたときに、こちらの新作のH6essentialが発売となり、同じ機能を持っているこちらの機種を購入しました。
早速機材がやってきました。
左がH6、右側がH6 essentialです。H6essentialのほうがややスマートになり、マイクカプセルがとてもコンパクトになりました。素材自体が軽いものとなり、取り外してみると前作と重みがかなり違います。H6のステレオマイクは約130gということで100g近く軽くなりました。
先端のマイクなのですが、今作では接続方式が異なり、お互いのマイクカプセルは兼用することができません。これからショットガンマイクなど、新たなマイクラインナップが増えるようなので、そちらに期待ですね(2024年夏発売予定)。
H6 essentialは、録音形式に32bit float形式を採用しており、マイクの入力レベルを操作する必要がありません。そのため、今作ではマイクの入力レベルを調整するダイヤルがなくなり、シンプルになりました。
(iphoneでボイスメモを録る際にレベル調整なんてしたことないよって思われた方もいらっしゃるかもしれません。ボイスメモではモノラル収録になり、音の周波数の幅も狭く、音圧の強い音が入力されると、音を(リミッターで)圧縮させて音割れしないように自動で加工してくれているのです。iphoneの技術も素晴らしいのですが、クリアで自然な音を集音するにはやはりレコーダーがおすすめです!)
32bit float(32ビットフロート)って?
(TASCAM公式サイトより画像引用)
いきなり専門用語をだしてしまったので、少し解説します。
オーディオでいうbitとは音を歪ませることなく扱えるダイナミックレンジ、最弱音と最強音の幅を指します。おなじみのCDは16bit、ハイレゾでは24bit、今作のレコーダーでは32bitということで、扱える音量幅が広がりました。
そして、floatというのが今回のポイントなんですよね。詳細な理論は省きますが、floatとは浮動小数点数といいまして、単位を示す数式と組み合わせることで人のささやき声から、ジェット機のエンジン音まで、幅広い音量差のある音声データを数字の組み合わせで表すことが可能となりました。
16ビット=約96dBのダイナミックレンジ
24ビット=約144dBのダイナミックレンジ
32ビットフロート=約1680dBのダイナミックレンジ
じゃあこのレコーダーは絶対に音割れしないんだ!という発想になりますよね?こちらのレコーダーの最大入力音圧は135 dB SPLなのですが、これを超えると音割れします。そう、一番最初の入力元のマイクで最大音圧を超えてしまうと、クリアな音で録音できないんですね。
メーカーによると、135 dB SPLはジェット機の離陸音の音量もクリアに収録可能なレベルとのことなので、身近なシーンで音割れするような場面には出会わないと思われますが、絶対音が割れないというわけではないということだけお伝えしておきます。
なおファイルサイズなのですが、簡単に調べたところ同じ長さの24bitのファイルサイズの1.5倍程度のボリュームになるとのことでした。意外とファイルサイズもそこまで大きくならないんですね。
使い勝手
今回は撮影機材のホットシューマウントにのせて使ってみました(風防はH6のものを流用)。
録音のやり方は至ってシンプルで、電源を入れる、マイク入力の波形が出ているか確認、録音ボタンを押す、以上です。
いままではマイクチェックをして入力音量を確認するという作業があったのですが、音量調節が不要なのでその工程をスキップすることができます。
一人で自分の録音をしなければいけないときにとても有益で、ちゃんと音割れせずに録音されているかチェックする時間というのが地味に手間でした。
(人のを録音している時は聴きながらモニターできるのでいいのですが)
テストをした時はバッチリでも、いざ収録となった時に気合いが入って音量が大きくなり音割れしてる!なんていう経験をしたことのある方はきっとたくさんいらっしゃると思います。歌あるあるなのかもしれませんが、その心配がないのは本当にうれしいです。
気になる録音音質に関しては、味付け控えめな原音忠実な音質。この集音性能を持ち運びできるサイズに集約されているのは、かなり良い機材と感じました。
録音した音声は内蔵スピーカーかイヤホンを接続して確認することができます。前作はタイマーのみの表示だったのですが、今作では音の波形も表示されるので、聴きたいところを予想して早送りすることができます。
まだ購入できていないのですが、別売りのブルートゥースの追加モジュールを接続すると、スマートフォンでも遠隔操作することが可能になります。離れたところに置いておいて、移動することなく録音スタートなんてこともできてしまいます。
バッテリー持ちも不安になることもなく、荷物を最低限にして自分の録音したい時に便利だなと思いました。この日は、ピアノ伴奏での歌唱を収録しましたが、音割れなく、クリアに収録することができました。
ちなみに
こちらのレコーダーなのですが、三種類展開されています。
左からH1essential、H4essential、H6essentialです。
それぞれの付属マイクの最大入力音圧が、最大120 dB SPL、最大130dB SPL、最大135dB SPLとなっており、マイクの性能が異なります。また、H6essentialのみ付属マイクでもデュアルADコンバータがついており、小さな音、大きな音それぞれの音を別のアナログからデジタルに変換する装置を使用して集音することができます。これにより、更に小さな音でもノイズがのりにくく、大きな音でも歪みにくくなります(H4は外部入力のみ対応)。
外部入力ですが、H1essentialでは0本、H4essentialでは2本、H6essentialでは4本マイクを追加することができます。重さやサイズもモデル番号の数字が小さくなるにつれて小さくなるのですが、主な違いはこんな感じです。
個人的な考えですが、合唱団の練習や、レッスンの録音など、個人的な録音に関してはH1essentialが最も適していると思います。重さも92gで持ち運びも便利ですし、手軽に32bit floatを体感するにはベストな選択かと。なお単4乾電池2本で10時間使用できるそうです。
対談や、アンサンブルを複数マイクを立てて録りたいという人は、限られると思うので、ほとんどの方がH1essentialで満足できるのではないかと考えます。
・付属マイク性能に余裕がほしい
・外部入力が3本必要な時がある
・音声モニター出力が必要
という3つの理由でH6essentialを購入しましたが、練習を録音したりといった普段使いでは、H1essentialのほうが楽だなと思ってますw
予算が許されるのであれば、H1essentialとH6essentialの2台持ちもいいのかもしれません。
最後に
今回はハンディレコーダーについての記事を書いてみました。ちゃんと収録しようと思ったらパソコン、オーディオインターフェース、マイク、マイクスタンド、ケーブル、電源が必要になるところを、三脚とレコーダーで完結できる魅力的なアイテムだと思います。
更に、zoomさんのessentialシリーズでは、録音に不慣れな方が失敗しがちな、入力音量調節という課題がなくなるという点も大きいです。レコーダーを置く位置さえ気をつければ、誰でも音割れしない収録が可能になるのは画期的ですね。
(tip; 録音時、レコーダーを床に直接置くのではなく、三脚にのせて使ったほうが振動音、反射音が入らずクリアに集音できますよ!)
これからもこちらの機材を愛用して、いろいろな音を録っていきたいと思います。zoomのレコーダーで是非、一緒に録音の楽しみを味わっていただけますと幸いです。