24/04/02 天童温泉のお湯の魅力を、美味求真の宿 天童ホテルさん、ほほえみの宿 滝の湯さんで堪能しました。
氷見 健一郎公式サイトをご覧下さりありがとうございます。
御縁があり、ここ最近山形県天童市に滞在する機会に恵まれております。せっかく滞在するならその街の魅力を堪能したいということで、天童市は温泉がとても有名なので、天童ホテルさんと、ほほえみの宿 滝の湯さんにて天童温泉を堪能してきました。天童市の魅力、この2つの宿の魅力をこの記事でお伝えしたいと思います。それではお楽しみください!
山形県天童市とは
天童市の名産品
将棋駒
江戸時代末期、将棋駒の製造が天童で始まりました。この地域における製造の起源は、天童織田藩の歴史にさかのぼります。明和4年(1767年)、上野国小幡から出羽国高畠に移封された織田氏は、所領の大部分を天童を中心とする村山地方に所有していました。天保2年(1831年)に高畠から天童に移館し、さらに嘉永元年(1848年)には、高畠にあった所領も村山に集中するようになり、実質的に天童織田藩が成立しました。
そんな折、天童織田藩は凶作に見舞われ、財政難に陥りました。その救済策として、藩は家臣に将棋駒製作の内職を奨励しました。というのも、”将棋は戦闘を練る競技であるから、武士の面目を傷つける内職ではない”という理由から将棋駒に白羽の矢が立ったようです。
こうして、天童では木地造りと書きの分業形態で将棋駒が製造されました。
明治時代末期には機械化が進み、昭和初期には安価で良質な将棋駒の供給が可能となりました。しかし、昭和40年代に入ると生産の主体は彫り駒に移り、彫埋めや盛上げの技術が研究され、製品化されました。現在、一般財団法人伝統的産業振興協会認定の伝統工芸士が作る盛上駒は、プロ棋士のタイトル戦でも使われています。
今では天童の将棋駒生産量は国内の将棋駒生産の大部分を占めています。天童将棋駒の特徴は、天然の漆を用いた黒く輝く文字や豊かな木目です。伝統的な書駒だけでなく、彫り駒や盛り上げ駒も製造されています。
「書き駒」「彫り駒」「彫り埋め駒」「盛り上げ駒」の4つの天童将棋駒が、1996年(平成8年)に国の伝統的工芸品指定を受けています。
フルーツ
フルーツ王国山形。 なかでも天童市は県内有数の果樹産地 として知られています。 豊かな自然に恵まれ、 四季が明瞭で雪が少ない風土は、果樹栽培に適した気候となっています。
天童のくだものは、初夏の味覚「さくらんぼ」に始まり、「もも」 「ぶどう」「洋梨」 そして 「りんご」と四季折々、 様々な味覚が楽しめます。
山形県は、夏は暑く、冬は寒い気候であり、土壌は水はけが良く、ミネラル分も豊富であり、果物の栽培にも適しています。
また、日本海に面しているため、水が豊富で、洋梨の栽培に十分な水分が確保されています。そのため、山形県は「フルーツ王国」と呼ばれ、洋梨の栽培が盛んなのです。
いろいろな果物を食べる機会がありましたが、中でもラ・フランスがとても美味しかったです♪自然の甘さをおいしく堪能できるのは幸せですね。
天童温泉
天童温泉の歴史は比較的新しく、明治19年(1886年)に、田畑を潤すために用水の井戸を掘ったところ、温泉が湧き出したことが始まりなのだそうです。現在、天童温泉では目抜き通り沿いを中心に、大型旅館やホテルが立ち並び、設備の充実した宿が多く存在しています。
天童温泉の泉質は、ナトリウム-カルシウム硫酸塩温泉で、特にナトリウムとカルシウムを多く含んでいます。 疲労回復や血行促進、リラックスはもちろん、潤い効果が高い美肌の湯としても知られています。
実際にお湯に入ってみると、とても優しい肌触りのお湯で、皮膚が弱い僕でも安心してお湯を楽しむことができました。とても身体が温まるだけでなく、肌もすべすべになり、なんて素晴らしい水質なんだと感動しました。
効能など
【泉質別適応症】きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症、
【一般的適応症】筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関 節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
それではここからは実際に泊まってきた2つの宿を紹介したいと思います。
美味求真の宿 天童ホテル
天童ホテルは、明治44年(1911年)に創業した老舗ホテルです。天童駅から徒歩15分という好立地です。歴史あるホテルですが、内装がリニューアルされ、とても快適な空間となっていました。
僕が宿泊させていただいた時はまだ改装作業中だったのですが、2024年3月に湯上がりラウンジ、朝食会場、そして貸切風呂が新設されました。詳細はこちらを御覧ください。
早速中に入ってみる
ホテルに入って一気に心奪われたのがこの日差し差し込む開放的なロビーです。窓からは迫力ある滝の流れを眺めることができます。なんとこの滝の向かい側に露天風呂がありまして、滝の流れを眺めながらゆっくりお湯に浸かれるんですよね。お湯と絶景に癒やされる名スポットです。
ウェルカムサービスとしては、玉こんにゃくのサービスもありました。顔はめパネルや、花笠の小道具が準備されているフォトスポットなど、写真を撮って思い出に残せる工夫が印象的でした。お子さん連れのご家族でもみんなが楽しめるように、キッズスペースやマジックショーのイベントがありました。
客室
宿泊させていただいたお部屋がこちら。広々とした客室はとても快適で、まどからの景色もなかなか見応えあるものでした。山形の山々も素晴らしいですね。雪降る山形も趣がありました。
大浴場
天童ホテルのイチオシポイントとしてやはり大浴場でしょう。天童一を誇る湯船の広さは絶対に体験していただきたいポイントです。大浴場に入った瞬間にその広さに驚くほどでした。ゆったりと天童温泉の水質を堪能できるだけでなく、サウナも楽しむことができます。
冒頭でも記述しましたが、滝を眺めながらの露天風呂もとても居心地が良く、お湯と音に癒やされる素晴らしい空間になっていました。
日帰り温泉などに行った時に、せっかくいいお湯に入れたのに、備え付けのシャンプーの質が伴っておらず、使い慣れたシャンプーを持っていけばよかったという経験ありませんか?
こちらの天童ホテルではシャンプーバーが併設されています。自分好みに自由にシャンプーを選んで浴場へ持っていくことができます。結構バリエーション豊かで、使い慣れたものを選ぶのもよし、気分によって新たな銘柄を試すもよしで、ありがたいサービスだなと思いました。
朝食
朝食会場がリニューアルされたので僕が宿泊したときと内容が変わっているかも知れませんが、朝食についても書かせてください。
一品一品のクオリティーが高く、山形のご当地グルメコーナーや、焼き立てのステーキを切り分けてくださるコーナーが良かったです。山形で育てられた純国産鶏の卵3種食べ比べコーナーもあり、卵の銘柄まで選べるという、食にとことんこだわった天童ホテルさんの朝食素晴らしかったです。
また、最近ハマっているつや姫というブランドのお米も採用されており、大満足でした。
この時の滞在では他の予定との兼ね合いで夕食が付かないプランで予約したため、次宿泊させていただく時は夕食も頂いてみたいと思いました。新しい施設もとても気になりますし、また行きたいです!
ほほえみの宿 滝の湯
1911年(明治44年)に創業されたほほえみの宿 滝の湯さんは、天童温泉の開湯と同じ年に設立され、同温泉内で名門として知られています。
多くの将棋のタイトル戦が開催され、特に「竜王の間」と呼ばれる専用の対局室があります。1994年に設置されたこの部屋は、竜王戦の舞台として使われ、2008年には羽生善治と渡辺明による永世竜王争奪戦の決勝局が行われました。また、将棋界への貢献が認められ、2012年には大山康晴賞を受賞しています。
最近では、環境に配慮した経営を重視し、生ゴミなどの廃棄物を自社農場で堆肥として再利用する「循環型農法」を採用しています。この取り組みが評価され、2015年には地球温暖化防止活動を競う「低炭素杯2015」で環境大臣賞金賞を受賞しました。
早速中に入ってみる
ほほえみの宿 滝の湯さんに入ると、スタッフの方が笑顔で対応してくださり、荷物を運んでくださいました。広いロビーからは美しい中庭を見ることができます。池には鯉が泳いでいたりと素晴らしい日本庭園でした。その右手側には貸し切り風呂があり、さくらんぼと将棋の駒のデザインの湯船が可愛らしかったです。
ウェルカムドリンクサービスもあり、宿泊者は無料で楽しむことができます。オレンジジュースとコーヒーを頂いたのですが、無料サービスとは思えないほど高クオリティで驚きました。
ウェルカムドリンクコーナーの隣にカウンターがあり、そちらのスタッフさんより宿泊者一名につき一個卵をもらうことができます。その卵をなんとこちらの将棋の駒の形の釜にいれまして、温泉卵を作ることができます。
5〜6分ほどいれて取り出してくださいと記載があったにもかかわらず、じっくり温めた結果、固茹でにw一緒に温泉卵を作っていた家族連れのお客様も同じく固茹でになってしまっていたのですが、温泉卵を通じて会話が弾み、この宿での楽しい思い出がひとつ増えました。普段できない体験が楽しめるこのサービスは素晴らしいと思いました。
卓球台
その他、館内では温泉卓球も楽しむことができます。30分の交代制で、追加料金なしで遊ぶことができます。
これだけだと、どこの温泉宿でもあるよと思われるかもしれません。なんとこの卓球台はリオデジャネイロオリンピックで使用された卓球台なのです。《infinity》と名付けられたこの台の脚の部分は、天童木工さんの技術によって作られています。そんなプロ仕様の台だとはその時知らずに、とても楽しく遊ばせていただきました♪
天童木工さんといえば、やまぎん県民ホールさんの座席の加工でも取り上げたことがあります。座席の木材部分の美しい曲線加工に目を奪われたのも記憶に新しいです。その時の記事もよろしければご覧いただけますと幸いです↓
客室
今回は別館、ベッドで休める部屋を選んでみました。シーリー社製のベッドが採用されており、とても寝心地が良かったです。写真右手側に見えます椅子が、なんと天童木工さんの椅子でした。もはやもうファンになっております☆
客室内にも温泉ではないお風呂がついていました。4階のお部屋だったのですが、窓からの景色も美しかったです。本当に山形の山が見える景色は美しいですね。窓の部分には腰掛けるスペースがあり、そこに座ってのんびり風景を眺める時間は至福でした。
大浴場
天童温泉の水質は先程書かせていただいた通り、素晴らしいお湯です。広々とした湯船は開放感があります。もちろん露天風呂もあり、趣がありました。洗い場や着替えスペースが広く、とても快適でした。宿泊者は一杯無料でビールを楽しむことができます。
湯上り後のスペースがとても気に入りまして、オットマン付きの椅子にのんびり座りながら、時を忘れて中庭を眺めるのが大好きでした。天童温泉のお湯は身体の芯まで温まり、上がった後もとても心地よいんですよね。
大浴場隣のこの休憩スペースも良かったですね。少し大きい将棋盤もあり、湯上がり対局も楽しむことができます。雛人形も美しく、手先の細かい技術が光ります。
食事
今回は山形牛のすき焼きプランをお願いしまして、一品一品とても美味しかったです。コース料理に加え、サラダと芋煮がセルフサービスでもらうことができます。山形はフルーツだけでなく牛のレベルもとても高いです。お肉も野菜も絶品で天童の食の魅力を堪能しました。
そしてドリンクもよろしければとのことで、ラ・フランスのジュースを頼んでみたのですが、それがまた絶品でした。帰りの電車でもその味が忘れられず、同じものかわかりませんが、ラ・フランスジュースを買ってしまいましたw
施設設備もさることながら、ほほえみの宿 滝の湯さんで感じたのはスタッフさんの魅力でしょうか。とても丁寧な接客をしてくださり、とても楽しい滞在となりました。
この宿泊の様子は僕のYouTubeチャンネルでも動画にして後日公開したいと考えております。公開できましたらこちらの記事にもリンクを添付いたします。またご覧いただけますと幸いです。
最後に
今回は山形県天童市、そして天童温泉についてお伝えしました。温泉宿でゆっくりと過ごす時間って格別だなと改めて感じました。
今回は利用できませんでしたが、新しくなった山形新幹線にも次は乗ってみたいなと考えております。これから枝垂れ桜のライトアップ、人間将棋など、楽しみなイベントが開催されます。魅力あふれる山形県へ是非お出かけください。